カムロ(@kamurodayo)です。
女性が恋に落ちて一夜を共にをした後に、相手の男性とどんなことを話していたか、心理学者がアンケート調査をしたところ、女性は話の内容をほとんど覚えていなかったことがわかりました。
つまり、重要なのは会話の中身よりも、会話による精神的な心地よさや非言語コミュニケーション。
特に、共感や類似性で相手との距離がグッと縮まるように同調することによって親密感を感じ、ラポールを築くことができ、一緒にいて落ち着く、安心感があるそして、
いいな♡抱かれたい♡
となっていく。
というわけで今回はそんな心地よい”同調”を作り出すミラーリングについて。
とはいえ
ミラーリングや!相手の真似をすればいいんや!
と実行してみると、かえって相手に気持ち悪がられることもかなりあります。
僕自身も、あからさまにやられると「こいつやってんな」と思い気持ち悪くなります。
そんなところも含めて、ミラーリングを掘り下げていきます。
恋愛心理テクニック「ミラーリング」とは?
そもそも、ミラーリングとは何かというと、相手が使っている言葉を繰り返したり動作を真似したりして、同調を作り出す心理テクニックです。
実際に2011年にテキサス大学で行われた実験では、
初対面の男女に短時間の会話を交わしてもらい「相手ともう1回会ってみたいか」を選択させ、最終的に付き合うかどうかを決めるというスピードデートを行いました。
カップル成立となった男女の言葉遣いをチェックしたところ、同じようなフレーズを使う男女はそうでない男女に比べて、3倍もカップル成立率が高かったことがわかりました。
また同じようなフレーズの量が多いカップルは、同じフレーズを使うことが少ないカップルに比べて、関係が続く確率も23%ほど高いということもわかりました。
他にも、心理学者のターニャ・カートランドとジョン・バーグの実験でも
被験者とサクラを同席させ、一方のグループではサクラにミラーリングをするように指示し、もう一方のグループではサクラにミラーリングをしないように指示をしました。
すると好感度も会話のはずみ具合の評価もミラーリングを行ったサクラの方が高かったという結果が出ました。
その他の実験ではミラーリングをした場合、
ウェイトレスがより多くのチップをもらえた(Van Baaren et al., 2003)
販売員が売り上げを伸ばして、客からの評価も高くなった(Jacob et al.,2011)。
ほかの学生のために小論文を書くのに同意する学生が増えた(Guéguen,Martin, & Meineri, 2011)。
合コンで、男性が女性により好感をもった(Guéguen, 2009)。
という結果も出ています。
つまり、ミラーリングは上手いことやればめちゃくちゃ効果があるというわけです。
コミュ力が高い人の特徴=ミラーリング
また、デューク大学の論文によれば、外向性が高い人ほどコミュ力が高く、コミュ力が高い人は相手の動作や言葉をまねしていたという傾向がはっきりと出たことがわかりました。
これについて研究者いわく、
他者と上手くやらねばならない状況になると、外向的な人たちは相手の行動をまねする傾向がある。
「他人と仲良くなる」という明確な目標を持ったとき、彼らは「模倣」を有効な手段として使いこなすのだ。
この現象は、無意識かつ自動的に起きる。
「模倣」は進化の過程で発達した生得的なシステムで、他人と上手く協力して効率よくゴールを達成するために発達した機能だからだ。
とのこと。
つまり、外向的な人たちの高いコミュ力の秘密はミラーリングにあったというわけです。
なぜ、ミラーリングが好意に繋がるのか?
なぜミラーリングでこんなにも好感度が上がったり距離が縮まったりするかというと、自分と似ている者は同じ種の仲間であり、脅威が少なく感じる。
逆に類似性が低い者は、天敵などである可能性が高いため、脅威を感じるという進化説がある。
人は潜在的に自分のことを好きであり、自分と似ている人にも好意を寄せやすくなるという潜在的エゴティズム説がある。
さらに、脳は対称性を求めるため、ミラーリングによる対称性で実際に脳の報酬を司る眼窩前頭皮質という部分も活性化される。
「ミラーリング」を恋愛で使う具体的な方法
ではでは実際にミラーリングはどう行えばいいかというと、
- 相手が足を組んだらこちらも足を組みましょう
- 相手が飲み物を飲んだらこちらも飲みましょう
みたいなものは聞き飽きてると思います。
サラッと行きますが、こんな感じで動作を同調させるとか、相手が「証拠」のことを「エビデンス」と言っていたらこちらも「エビデンス」を使うみたいな言葉を合わせるとか…。
色々ありますが、特に効果的な3つのミラーリングをここでは紹介していきます。
恋愛心理テクニック①:感情のミラーリング
特に女性は、感情の共有を好む生き物。
そのため「共感」がめちゃくちゃ重要であり、それと同じように感情のミラーリングも感情の共有を行うことができ、相手の無意識にぶっ刺さるというわけです。
では、感情のミラーリングとはどうやればいいのかというと、
例えば、女の子が
この前ハンバーグ食べたんだけど肉汁がすごくて~
と話してきたときに
めっちゃおいしそうやん!お腹空いてきたわ。
とか
この前、うちの犬が10万もしたバッグにおしっこしてたの
と話してきたら
それは、ぴえん超えてぱおん
みたいな感じ。
要は、ハンバーグの話では女の子の感情は「おいしかった」であるため、その感情をこちらも言語化して共有することによって、感情のミラーリングになる、と。
おしっこバッグの話も同様に女の子の感情は「つらい」「悲しい」であるため、それに同調する言語としてぱおんを繰り出す。
そのため、相手の感情を読み取ってそれを言語化して同調を示すことで、感情のミラーリングを行うというのがこの方法です。
これに関してはリアルでの会話でもLINEでも同じで、相手の感情を読み取ってこちらもその感情を表現する、と。
恋愛心理テクニック②:表情のミラーリング
表情というのはまさに感情が映し出されている部分。
そこをミラーリングするということ。
- 相手が笑顔で楽しそうに話していたら、こちらも微笑むくらいしながら話を聞くとか
- 悲しそうな表情で話していたら、こちらも悲しそうな顔で相槌を打つとか
逆に、相手の表情や感情を無視してずっとこちらが無表情でいてみると、相手はめちゃくちゃ居心地の悪さを感じます。
この反対で同じ表情をしてあげるだけでも、相手は居心地の良さを感じるというわけです。
LINEでも簡単なところだと、同じ表情を表す絵文字やスタンプあるいは、明るい文章、暗い文章というように文章の表情などもありますよね。
これに関して先日こんなツイートをしました。
相手の心を動かすことはできなくとも、事実を作ることはできる
そして、認識は事実に合わせて作られる
・自己開示をした(事実)、てことはこの人に心を開いている(認識)
・つい考えてしまう(事実)、てことは気になってる(認識)
認識を作ろうとするより既成事実を作る
認知的不協和の解消の使い方
— カムロ@恋愛心理学YouTuber (@kamurodayo) September 24, 2020
とのこと。
つまり、意識的なミラーリングというのはこれで言うところの“既成事実”であり、同調しているてことは、
- 私たちは良好な関係なんだ
- ラポールが築けているんだ
- 好意を持っているんだ
という認知が生じるというわけです。
しかも、表情のミラーリングは足を組んだら足を組みましょう的な、あからさまな動作のミラーリングとは違いさり気なくでき、かつ感情も同調できるというわけです。
恋愛心理テクニック③:テンションのミラーリング
テンション合わせるって結構大事で、
例えば相手が高いテンションで来たのに、こちらが地獄のようなテンションでいたら相手は萎えてしまうかもしれないし、ネガティブな印象を持ちやすくなる。
逆に、相手が落ち着いたテンションなのに、こちらがテンションぶち上げで行けばスベる可能性も高まるし、相手も疲れたりこちらも虚しくなる可能性が高まります。
これはLINEでも同様。
慣れない所で「ミラーリングや!」と動きを真似しようとすると、わざとらしくなってしまってかえって居心地の悪さを与えたり、相手のテンションや感情が見えていないとズレが生じてしまいます。
で、ミラーリングの本質は先ほど言ったように、動きを真似するといった表面の猿真似ではなく、心理的な無意識の部分での同調です。
そのうえで、猿真似のように相手が意識できてしまうモノではなく、相手が意識できないくらいのミラーリングを行うというのがポイントとなります。
それによって、表面ではなく内面の部分で共鳴して居心地の良さに繋がる、と。
ここらへんを意識すると上手く行くはずです。
「ミラーリング」で女性と心理的距離を縮めよう
冒頭でも触れた通り、女性とのコミュニケーションで大事になるのは、会話の内容ももちろんだけど、それ以上に会話による精神的な心地よさや非言語コミュニケーションの部分。
まさにミラーリングは心理的な同調を生み出して、そこの部分を満たしてくれるテクニックであるわけですね。
ただし注意点としては、あからさまにやらないこと。
相手が気づかないくらいの無意識レベルの同調であるからこそ、効果があるのがミラーリングです。
それを踏まえたうえで、仕草や行動、言葉遣いなど基本的なミラーリングから、今回紹介した
- 感情のミラーリング
- 表情のミラーリング
- テンションのミラーリング
使いこなしていってみてください。
女性との距離の縮まり方が変わってくるはずです。
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